2012年5月27日 (日)

ゴールドシップ対ディープインパクト軍団

●東京10R 第79回東京優駿

 共同通信杯が終わった直後の検量室前。表彰式が始まるのを待つ間、引き運動をしていたゴールドシップが手綱を思い切り引っ張って放馬しそうになったのを見て、「この馬に今年はぜんぶ持って行かれるかも」と感じた。重賞を勝ったあとに元気いっぱいかよ! 体力抜群も良いところだ。

 とか言いながらも前走の皐月賞で本命にしなかったのは、小回り向きの器用さがない馬だから。トップスピードに乗るまでに時間がかかるので、中山内回りで狭い場所を取り合うようなレースは向かないはず、と思って評価を落としたら、無人のコース内側にただ一頭突っ込んで悠々と抜け出してしまった。コース利はたしかに少なくないが、楽勝に近いゴールインだったから馬にダメージは少なく、この中間も3本時計を出している。前走ではトモに緩さが見られたが、攻め強化でパンとしてくれば万全に近付く。

 体力自慢のゴールドシップに切れ味で逆転を挑むディープインパクト軍団、という構図で、飛車角は定石通りに別路線組のトーセンホマレボシとヒストリカル。皐月賞の負け組では、不完全燃焼だったグランデッツアを重く見る。これも定石通り。

◎ 6.ゴールドシップ
○ 14.トーセンホマレボシ
▲ 2.ヒストリカル
注 17.グランデッツア

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2012年5月15日 (火)

千葉サラブレッドセールも盛況、最高価格はアグネスタキオン牡馬

 船橋競馬場で昨日(5月14日)行われた千葉サラブレッドセール、通称「千葉セリ」に行ってきた。

 千葉セリは、2009年から社台ファームが生産馬を多数上場させるようになって生まれ変わった。社台ファームや千代田牧場から良血馬が送り込まれてくるので、2歳セールとしては血統的なレベルが飛び抜けて高い。売れ残りの馬を早めに仕上げて…というトレーニングセールのイメージとはちょっと違う。たとえていえば、社台や千代田ブランドが手に入るアウトレットセールという感じ。訳あって在庫になってますが、お買い得ですよ。

 今年からは1歳セールがなくなって2歳セールのみの実施になったが、訪れた購買者の数は過去最多で、総売上額、売却頭数も過去最高を記録した。できるだけリスクを避ける馬主のニーズにも合致して、良血馬の新しい販路として2歳セールが完全に定着した観がある。社台ファーム代表の吉田照哉氏は、来年以降「たとえばディープとか」上場馬のさらなるレベルアップの必要性に言及していた。

 最高価格で落札されたのは、ヘヴンリーソングの2010。アグネスタキオンのラストクロップで牡馬。今セールの目玉商品は、シルバーウェイブ、ハーバーコマンドの谷掛龍夫氏が落札した。入厩先は栗東になるのでは? とは美野真一さん情報。馬体的にはトモが小さいのが割引材料、完成度が高いのはプラス材料で、足し算引き算あって4000万円(税抜き)という価格になった。馬体重は455キロ。

 落札価格第2位は、ロリポップガールの2010。半姉のラフレーズカフェも本セール出身の活躍馬で、父は今が旬のダイワメジャー、しかも牡馬。血統的なプロフィールから見て、高くなることは大方の予想通りだった。馬体重は436キロと小柄だが、青鹿毛の馬体は品があって美しい。この馬も完成度が高く、ヘヴンリーソングともども良血ながら即戦力としての期待が持てる。「サーストン」の斎藤宣勝氏が3800万円(税抜き)で落札、厩舎は美浦の戸田厩舎になる模様。

 第3位はプリティベティの2010。ゴールドアリュール牝馬で、母父がフレンチデピュティ、母母父がアフリート。ダートが良さそうな血統で、調教供覧でも併走馬を軽く置き去りにして終い1F最速の10秒7を叩き出した。南関牝馬クラシック候補登場か? と思っていたら、リザーブ価格の500万円からぐんぐん競り上がって、最終的には2900万円で「フジマサ」の藤原正一氏が落札した。南関東に入る価格ではないな。中央入厩としても、繋ぎは立ち気味でダート向きは間違いないだろう。478K。

 上位3頭は社台ファームの生産・育成馬だが、4位には千代田牧場の海外での生産馬、Romantic Romanceの2010(牡)が入った。父はアンブライドルドソング。骨太でゴツゴツした体つきだが身のこなしはしなやかで、文句なしに良い馬だ。ただ、体つきはまだ幼いし、ダートの中距離馬だろうからPOG期間が終わってからが稼ぎ時になるはず。2800万円で落札者は川上雪恵氏。492K。

 5位はまた社台ファームで、ミスアルダントの2010(牡)、父は新種牡馬のチチカステナンゴ。母の全兄がダービー馬タヤスツヨシで、上はみんな2勝以上している。馬体は見映えはするし、しなやかさもある。父のチチカステナンゴをリスクと見るか、魅力と見るか。2400万円まで競り上がって、ローズカットダイヤ、クロカンブッシュの青芝商事が落札した。460K。

 以上がベスト5で、続いては私のお気に入りを発表。…しようと思ったが、夜も遅いし、眠くなった。お気に入りは金曜に行われるPOGイベントで発表しようと思う。

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2012年5月13日 (日)

ヴィクトリアマイル展望

■東京11R 第7回ヴィクトリアマイル

 秋の牝馬女王決定戦がエリザベスだから、春はヴィクトリアなのだ。

 なんて安易なネーミングで始まった新設G1だが、今年でもう7回目を迎える。創設当初はなんだかなあ感が拭えなかったが、その後ウオッカにブエナビスタというスター牝馬が登場、このレースにも顔を出して、歴史の浅いG1を育て盛り上げることに一役買ってくれた。

 今年はアパパネがいる。ウオッカ、ブエナビスタと違って、牡馬と戦ってG1を勝つところまではいかないが、これまで使える牝馬G1は皆勤して、エリザベス女王杯を2回負けただけで7戦5勝という素晴らしい成績を収めている。というか、2歳秋に500万の赤松賞を勝って以降、この馬が勝ったのはG1レースだけなのだ。脅威のG1ハンターぶりを示している。

 アパパネも5歳を迎えて、成長というよりはピークの維持が今後の課題になる。前日で4倍を超える単勝オッズには、現状のこの馬への世間の半信半疑っぷりが表れている。パドックを見られるので最終判断はもっとあとになるが、私のスタンスとしては「信」で行きたい。

 アパパネは能力の高さとレースに対する前向きさでいろんな条件に対応して走ってきたが、本来の適性のピークは「東京芝1600m」でどんぴしゃり。そもそも2歳秋にこの条件を連勝して頭角を現した馬で、赤松賞は2歳レコードでの独走だった。いろいろ難しい縛りなしに、普通に走って能力が出し切れる場所なのだ。今回は相手関係もハードではなく、気持ちよく走ってきてくればそれでOKだ。

 今季の東京の芝は若干時計がかかっている傾向があり、相手はスタミナ充分のフミノイマージンを筆頭に考える。以下は印の通り。

◎ 7.アパパネ
○ 10.フミノイマージン
▲ 14.オールザットジャズ
注 12.ホエールキャプチャ
△ 1.マルセリーナ
△ 16.ドナウブルー

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2012年4月29日 (日)

天皇賞展望

■京都11R 第145回天皇賞(春) (JRA 2連福/予定)

 今年の天皇賞のポイントをまとめるなら二つ。

1.オルフェーヴルは強い。しかしステイゴールド産駒は難しい。
2.春の天皇賞としてはいいメンバー。しかし古馬G1としてはしょぼいメンバー。

1.オルフェーヴルは強い。しかしステイゴールド産駒は難しい。

 阪神大賞典ではオルフェーヴルと池添騎手のコンタクトが悪く、途中で一回レースをやめてしまったが、最後は盛り返して2着した。オルフェーヴルすげえ! ということで、負けたのにむしろ評価が上がる形になった。でも負けは負けだ。道中でどんなロスがあったかはともかく「長距離戦で折り合えず負けた」という事実は動かない。

 私はステイゴールドの現役時にファンだったし、じっさいに会って噛みつかれそうになった経験もトラウマになっていて、この血統の気難しさ、信用できないことには絶対の信頼を置いている。ステイゴールド産駒は、つねに「悪さしよう、悪さしよう」と手ぐすね引いている。だから、前走時にも「みんなよく単勝110円のステイゴールド産駒を買うなあ」と感心していたし、今走でもそれは同じだ。

 フィジカルな面から考えれば、古馬になって筋肉量が増えたことで、遅いペースへの対応が3歳時よりも難しくなった可能性もある。前走のような逸走未遂はしないとしても、折り合い面に大きな不安を抱えていることは間違いない。超スローペースの有馬記念は後方一気に差し切ったが、一塊の馬群からヨーイドンで決め手の質が問われるレースだった(実際に上がり3Fベスト3が1・3・4着を占めた)し、そういう流れで55キロを背負っていたことも有利だった。今回はべつのレース展開になるだろうし、斤量面の恩恵も消失する。

2.春の天皇賞としてはいいメンバー。しかし古馬G1としてはしょぼいメンバー。

 去年の春天の1番人気は、G1勝ちのないトゥザグローリーだった。一昨年も同様にフォゲッタブル。その前2年は菊花賞だけしか勝っていないアサクサキングスが押し出された。それにくらべれば、今年は去年の春秋天皇賞馬のヒルノダムールとトーセンジョーダンが出ている。それになにしろ三冠馬のオルフェーヴルがいる。春の天皇賞としてはメンバーが揃っていることは間違いない。

 しかし古馬G1として見てどうかとなると話は別だ。昨年の有馬記念と比較しても、エイシンフラッシュがいない、トゥザグローリーがいない、ルーラーシップがいない、アーネストリーがいない。今年のG2勝ち馬はなんとギュスターヴクライただ一頭しかいない。京都記念勝ち馬も日経賞勝ち馬も大阪杯勝ち馬もいない。ちょっとした異常事態だと思う。春の天皇賞が空洞化していることは相変わらずで、これではオルフェーヴルの人気が落ちないのも無理がない。

●まとめ

 オルフェーヴルに関しては判断しない。そんな難しいことわかるはずがない。ただ、印を打たないのも逃げなので、一応の判断を示せばこうなる。

◎ 15.ヒルノダムール
○ 8.ギュスターヴクライ
▲ 18.オルフェーヴル
☆ 14.ローズキングダム

 ヒルノダムールはフランスから帰ってきたあと、有馬記念は前が狭くなって6着、京都記念は58キロ背負って最速上がりでの3着、阪神大賞典でも唯一の58キロで前をカットされて4着。競馬の内容は悪くない。もともと非力な面があって京都向き、外回り向きだし、じわじわ伸びるので長丁場も向いている。というか去年の勝ち馬だし。

 ギュスターヴクライは唯一の上がり馬。オルフェーヴルは距離適性が違うので3番手まで。ローズキングダムは京都の良なら軽く扱えない(去年は稍重だった)。

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2012年4月28日 (土)

青葉賞展望

■東京11R 第19回テレビ東京杯青葉賞

 道悪の青葉賞。今年はメンバーが揃った。与えられるダービーへの優先出走権は二つ。タフな争いになりそうだ。

 フェノーメノは4戦2勝だが東京に限れば2戦2勝。平場500万下ではスピルバーグとストローハットを相手にしていないのだから、世代全体でも序列は上の方だ。ステイゴールド産駒だから重も悪くないだろう。

 新緑賞圧勝のカポーティスターが連闘で挑んできた。ハーツクライ産駒は去年このレースをウインバリアシオンが勝っている。大跳びで器用さに欠けるが長く脚を使うので東京の長丁場はぴったりだ。いまの東京の馬場を経験しているのもプラス。

 サトノギャラントはスプリングS4着で皐月賞がグランデッツアに小差の6着。能力はたしかだしレースが上手で戦術の引き出しが多い。ただ、復帰戦にスプリングSを選んでいるように本質長丁場の馬とは思えず、東京2400でどの程度プラスを見込めるか。

 アドマイヤブルーはホープフルSを勝っているが実質500万下のレースだった。京成杯ではアドマイヤロブストとアーデントの間に入って、毎日杯を完敗。レベルの高いところで戦ってきているし、馬体も良い。瞬発力不足を器用さで補えれば。

 良血でPOG人気も高かったクランモンタナが2ヶ月ぶりの復帰戦。すみれSが良血開花を思わせる渋太いレースぶりだったから、今回は楽しみが大きい。積極的な騎乗をする石橋騎手鞍上で、上手く主導権を握れればチャンスはありそう。

 ここまでが人気上位5頭だが、メンバーが揃っているだけあってこれだけでは収まらない。6番人気のタムロトップステイは3戦2勝だが唯一の敗戦がマウントシャスタ、キャトルフィーユとタイム差なしの大接戦だ。また、若駒Sでワールドエースと馬体を併せて入線しているヤマニンファラオが7番人気というのも驚きの低評価だ。フェノーメノ以外は横一線と見るので、人気と実力にギャップがある。

☆ 8.タムロトップステイ
☆ 16.ヤマニンファラオ

 馬券的にはこの二頭に注目したい。

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2012年4月26日 (木)

ブリーズアップセール、続き

 2番目に高額で購買されたのも牝馬で、ヒットザボードの10、父ネオユニヴァース。3550万円(税抜き)で「ロジ」の久米田正明氏に落札された。美浦の古賀慎明厩舎に入厩予定。岩田騎手が騎乗した供覧での時計は残り2Fから13秒6-11秒1。騎手が乗っていたから速い時計が出たのではなくて、これくらいの時計は何度も出している。身体は小柄で正直パッとしない(失礼)のだが、走りは大きくてダイナミックそのもの。走らせて良さがわかるタイプで、1歳のサマーセールの落札価格から7ヶ月で7倍以上の値段に跳ね上がったことになる。

 3番目がキタサンバースデーの10。牡馬では最高価格の3000万円(税抜き)で林正道氏が落札した。父はいまが旬のステイゴールド、おじにジャングルポケットがいる血統馬だから、どうしたって高くならざるを得ない。馬体はどっしりしていて動きはパワフル。現時点で500キロ近い馬体重があるが、まだ大きくなりそうだ。

 4番目がベラミロードの10。11秒6-11秒0は、全体・ラスト1Fともに今セールで最速。2750万円(税抜き)で「メイケイ」の名古屋競馬(株)が落札した。シャープで無駄のない動きをする。父はアドマイヤムーンで、短めの距離向きのスピード馬だろうから、めざせ!ファルコンSということで良いのではないか。馬体の完成度も高く、速攻要員。というか早期デビューしないでどうするよ。早い時期から稼働馬がいないとイライラしちゃう人にはリスト入りをお薦めしたい。

 ジョンコの10は新種牡馬のチチカステナンゴ産駒で「ダイメイ」の宮本孝一氏が2650万円(税抜き)で落札した。それほど目立つ動きをしたわけではなかったが、なぜか気になる馬で、実馬展示でも人だかりができていたし、競る人も多かった。ルックス的にもフクフクしていて、良い名前をつけたら人気が出そう。でもダイメイか。

 ここまでが今セールの価格順ベスト5で、以下はお気に入り枠。エンキャンタドゥの10はネオユニヴァース産駒の牝馬。1550万円(税抜き)で大谷高雄氏が落札した。大谷高雄氏はセイウンワンダーの馬主として有名だが、それ以外にもビッグスマイル(3勝)、ベストロング(2勝)とブリーズアップセールで外れを引いたことがない。この馬は四肢の伸びが良くて、身のこなしに窮屈さがない。おそらく領家厩舎に入厩することになるだろうが、早い時期からガンガンというタイプではないと思う。ごらんの通り(↓)の別嬪さん。

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 シャカラカベイビーの10は1050万円で「タイセイ」の田中成奉氏が落札した。牝馬。回転の速い走りでスピードの乗りが良い。馬体のバランスが良いし、骨量があってパーツもしっかりしている。オレハマッテルゼ産駒だからそこまでの高値にはならなかったが、スペックに疵がなくレベルの高い馬だ。お買い得だったと思う。POG的にもお薦め。

 レジェルマンの10(牡)はバブルガムフェロー産駒。馬体重60キロのJRA職員を乗せながら11秒8-11秒7。シャープな走りが目を引いて、1900万円まで競り上がった。フラワーサークルの10(牝)は新種牡馬のアルデバラン産駒。身体を目一杯に使った走りで12秒2-11秒4を計時した。前向きなスピード馬で「夏の2歳ステークス狙い」ということで古澤秀和さんと話が一致した。シルキークラフトの10(牝)は騎乗供覧の入場時に放馬。ダートトラックを一周した数分後に走らせて12秒2-11秒5という好時計をマークした。元気一杯、走るの大好き。ロジの久米田オーナーで所属は美浦、おそらくダート馬だと思うので、また中山のダートを走る日も遠くない。

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2012年4月25日 (水)

ブリーズアップセールV字回復、最高価格はレディインディの10

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 今年のブリーズアップセールは二年ぶりの完売だった。「完売当然」のブリーズアップセールが帰ってきた。平均落札価格、総売上額ともに一昨年の水準まで回復した。はじめて完売を記録した2009年は、前年にG1馬セイウンワンダーが出た影響もあってバブルなセールだったが、今年は地に足のついた購買がほとんどだったと思う。馬券の売り上げの話題になると判で押したように「前年比割れ」ばかりだから、こちらのV字回復はひさしぶりに明るい話題だ。すなおに喜びたい。

 最高価格はレディインディの10、父ダイワメジャー。祖母フィジーはレインボウクエストの代表産駒の一頭に数えられる名牝で、馬の出来も◎ならば騎乗供覧のタイムも水準以上。熱く注目していたが、あっという間にどんどん競り上がって、税抜きで4000万円というブリーズアップセールでは未知の領域にハンマーは降りた。購買者がトーセンの島川隆哉氏と聞いて、猛烈な競り上がり方にも納得。「なにか即戦力」ではなく「この馬をピンポイントで」狙っての落札だった。入厩先等は不明だが、POGでも「速攻系」の狙いとは違う観点で取り扱うべき馬だと思う。

 JRA育成馬を熟知する美野真一さんと一緒に騎乗供覧を見ていたのだが、気になった馬を聞かれて「高いですけど」と断ってこの馬の名を挙げたら、もちろん良い馬だが「ダイワメジャーにしてはお尻が小さい」と言われた。ほんと?? と思って実馬展示で見たら、その通りだった。馬体写真ではそうは見えないのだが、これは二次元の錯覚だと思う。ちなみにリンク先は昨夏のセレクションセール、この馬が1歳時の写真。今セールの写真より出来映えが良いのでこちらにリンクした。

 騎乗供覧で目を奪われたのは、父を彷彿とさせるダイナミックなフォーム。でありながらピタッと動かない背中のライン。長躯短背でなおかつ柔軟な身体がそのメカニズムを可能にしている。動きと馬体を見比べて非常に勉強になった。ちなみに私のつけた値は2500万円。甘い甘い、甘すぎた。

 その他の馬たちについては、明晩にまた。

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2012年4月15日 (日)

牡馬クラシックの決算日

■中山11R 第72回皐月賞

 今日は皐月賞、牡馬クラシックの決算日だ。

 もちろん最終目標地点はダービーだが、牡馬クラシックの数多くの流れはまず皐月賞で合流する。いままでぼんやりしていた勢力関係がここではっきりする。ダービーはそれを踏まえた上での余力勝負というか、上昇度比べというか、単純に馬を選ぶのとは別の要素が濃くなってくる。馬選びの技術が一番問われるのは、皐月賞で間違いない。

 とかなんとか偉そうなことをいいながら、今年の皐月賞は「わからない」というのが結論なので、最初に謝っておく。ただ、今年から2歳戦のスタートが2週間早まったおかげで、皐月賞の前に産地馬体検査を見ることができた。4日間でのべ700頭以上の馬を見たことで、馬の見方を良い意味でリセットすることができた。ひさびさに真っ白な気持ちで皐月賞に臨むことができるのはラッキーだと思う。なにか良い馬はいないか?

◎ 6.ディープブリランテ
○ 9.ワールドエース
▲ 18.グランデッツア

 ディープブリランテは年明け初戦の共同通信杯が12キロ増の馬体重。一頓挫あったあとだし、太かったのはたしかだが、あの日の馬体は素晴らしかった。一番良い馬はなにか? 単純な問いに立ち返れば、私にとって答えは簡単。ディープブリランテだ。

 だが、大型馬だけに仕上げの難しさはつきまとう。脚元の問題もある。8キロ絞った前走ではバランスが崩れていて、成長途上であることを痛感させられた。前走で私はこの馬への愛情が薄れて、グランデッツアの単勝を勝ったので、むしろよく2着になったなと、その強さを再認識したくらいだ。

 折り合いの問題はそれほど心配していない。というか、ダメなときはダメだと諦めている。ただ、前走のスプリングSは前半3Fが37秒5、その前の共同通信杯が37秒3。ディープブリランテはスピードが持ち味の馬だから、そんなに遅い流れなら行きたがって当然だ。むしろ行きたがるのは才能の証明だと考える。皐月賞はどんなに遅くても36秒台前半で流れるはず。前哨戦がふたつともスローに流れたのは運がなかったが、それで評価を落とすのはちょっと早計だ。

 ワールドエースは追い込み一手の脚質。馬体も脚質もディープブリランテとは対照的だが、両馬とも同じ「折り合い」という課題を抱えていて、それに対するアプローチの方向性が異なっているだけだと思う。ワールドエースの場合、敗れた若駒Sが前半3F38秒9で、ひやひやさせた若葉Sが37秒5。36秒5と流れたきさらぎ賞では早め先頭から圧勝している。早めに動けるのをあえて動いていないだけだ。

 グランデッツアはアグネスタキオン産駒らしい硬さがあって、柔らかいディープインパクト産駒よりは仕上がりが早い。(ただ故障するリスクがある)。能力的にも勝ったり負けたりの力関係だし、距離が延びて流れが厳しくなって、あるいは成長力という面で、とくに大きな上積みを見込めるわけではない。安定株であることは間違いなく、好走する確率は高いが、G1になって人気が上昇したここで評価を上げるのは正着打ではない。

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2012年4月 8日 (日)

どうぞどうぞの桜花賞

 今年の牝馬戦線は、レース毎にコロコロと主役が入れ替わった。

 ファンタジーSでは、夏の活躍馬ファインチョイスとエイシンキンツェムが人気になったが、勝ったのはアイムユアーズ。続く阪神JFではファンタジーS以外から臨んだサウンドオブハートとエピセアロームが人気になったが、新馬勝ち直後のジョワドヴィーヴルが圧勝して、真打ち登場かと思われた。

 しかし、ジョワドヴィーヴルが年明けのチューリップで3着に敗れるから話が複雑になる。しかも、前哨戦を圧勝して一躍注目を集めたハナズゴールは、レース週になって負傷リタイア。どうぞどうぞ! とみんな主役の座を譲り合うような格好で、牝馬の祭典・桜花賞当日を迎えた。

 アイムユアーズだけは重賞を2勝しているが、「1400がベストだろう」と見抜かれていて馬券は売れていない。けっきょく半信半疑ながらもジョワドヴィーヴルが1番人気だ。阪神JFは歴代でも上位に入る圧勝だったから、あれが再現できるかどうか。2番人気はシンザン記念を勝ったジェンティルドンナ、3番人気はクイーンSを勝ったヴィルシーナ。冬の間に重賞を勝ったディープインパクト産駒が上位人気に推されて、3月の桜花賞トライアルは「なかったことに」されている感じだ。

 1~3番人気がディープインパクトならば、1~4番人気がノーザンファーム生産・育成馬。ノーザンファームしがらきがオープンして初めての世代によるクラシック挑戦で、いきなり上位独占なるかどうかにも注目が集まる。

■第72回桜花賞

◎ 9.イチオクノホシ

 前脚を伸ばして大きなモーションで走るので、小回りはあまり向いていない。矢のように突き抜けたサフラン賞が印象的で、長い直線でこその馬だ。2走前のヴィルシーナには器用さで負けただけで、馬としてはこちらが上だと信じている。骨量があって姿勢がしっかりしていて、いかにも社台ファームの生産・育成馬という身体をしている。厳しい流れになって良さが出る馬だと思う。それにしてもなんで一億の星なんだろう?

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2012年4月 7日 (土)

名を捨てて実を獲ろう

■中山11R 第30回ニュージーランドT

 皐月賞の前週、桜花賞の前日にひょっこり組まれているグレード2重賞。例年だとトップクラスは不在で、「名を捨てて実を獲ろう」という馬たちの集まりになる。ただ、今年は例年になく重賞実績馬が多く、ハードルは低くない。

◎ 5.ブライトライン

 ジャスタウェイが回避、オリービンは大外を引いた。ならばファルコンS勝ちのブライトラインに勝機到来か。アーリントンCは早めに動いて脚が続かなかったが、小回りの中山なら一瞬の脚で勝ち切れる。

■阪神11R 第55回サンケイスポーツ杯阪神牝馬S

 急坂の阪神1400で体力が問われる。意外とG1との関連性が深いレース。今年はアパパネとマルセリーナ、桜花賞馬が2頭いる。56キロがどうかだが条件としては悪くない。

◎ 4.キョウワジャンヌ

 キョウワジャンヌは秋華賞2着馬だが、昨夏に新潟で芝1400を好時計での完勝があり、距離はこのあたりがベストだろう。仕上がりは上々と判断。馬群を捌ければ一発がある。

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