2013年5月20日 (月)

三代目はオークス馬

 オークスの優勝賞金としてJRAが用意するのは9700万円。この原資はいうまでもなくわれわれが購入する馬券の売り上げだが、クラシックの場合は付加賞が大きくて、今年のオークスは3134万6000円に達した(1着馬)。こちらは馬主同士が持ち寄ったお金を上位三者に一定の割合(7:2:1)で配分するもの。いわゆる「ステークスマネー」で、近代競馬の原点といわれる制度のひとつだ。

 今回のオークスでは、優勝したメイショウマンボが桜花賞終了後に200万円の追加登録料を支払っての出走だったことがあきらかになり、ひさしぶりにクラシック登録のことが話題になった。ちなみに、クラシック登録は2歳秋、3歳年始、レースの2週前の3回必要で、登録料はそれぞれ1万、3万、36万円。それぞれの段階で出走意欲のあるレースに登録料(=ステークスマネー)を払う仕組みになっている。たとえば、牝馬として64年ぶりにダービーを制したウオッカは、2歳秋の時点で桜花賞、オークスだけでなく、牡馬の三冠レースへも登録を済ませていた。

 メイショウマンボの場合、桜花賞には登録を済ませていたものの、オークスへの登録がなかった。そのため、オークスに出走するためには、200万円を払って追加登録という救済制度を利用する必要があった。今回のオークスで距離不安を理由にメイショウマンボを嫌った人は、自身の予想を恥じる必要はない。プロの調教師や熟練のオーナーの目を持ってしても、この馬の長い距離への適性を早期に見抜くことはできなかったのだから。

 メイショウマンボの母はメイショウモモカで、祖母がメイショウアヤメ。両馬とももちろん松本好雄氏の所有で、マンボと同じく飯田明弘調教師によって管理された。祖母のメイショウアヤメは新馬戦から芝の短距離戦を2連勝した快速馬で、暮れの2歳G1を使って4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)で権利を獲って桜花賞へ行った。暮れから春までの道のりは孫のメイショウマンボとほぼ重なる。

 道が分かれるのはその次戦で、アヤメは芝1400mの葵Sへ、マンボは芝2400mのオークスに行った。そしてそこでの着順は両馬とも同じ。

 この馬のオークス向きの才能を初めて明確に意識したのは、1月の紅梅Sで騎乗した武幸四郎騎手だったようだ。彼はそれを「大きなストライドとエンジンの掛かりの遅さ」と表現している。乗り役ならではの感性だ。

 パドック派の視点で補うならば、この馬の最大の武器は脚の長さだと思う。それにくわえて肩腰の関節の可動域が狭いので、長い脚をできるだけ長いまま使うようなデザインになっている。ただ、関節の可動域が狭いということは柔軟性に欠けるということで、幸四郎騎手の「エンジンの掛かりの遅さ」という言葉に繋がる。

 たとえるなら、長くて重い刀を振り回す剣豪のイメージ。リーチは長いし破壊力もあるが、小回りが利かないので、一度空振りすればそこまでだし、長い剣を抜ききる前に敗れる場合もあるだろう。

 競走能力のイメージにおいて幸四郎騎手と共有できる部分があったので、桜花賞で10着に敗れても私のこの馬に対する評価は下がらなかった。それはもちろん幸四郎騎手も同じで、彼が松本オーナーにオークスへの出走を進言したのは桜花賞の夜だったという。

 メイショウアヤメのスピードに、グラスワンダー、スズカマンボとスタミナを重ねて三代目。メイショウマンボはオークス馬になった。アヤメからマンボまで15年。年を重ねて時代は変わっても、5月になればアヤメは咲く。人が怠けず丹念な手入れを続ければ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

千葉サラブレッドセール2013、最高価格はマンカフェ牝馬

 今年の千葉サラブレッドセールは、5月17日の金曜日に行われた。会場になった船橋競馬場は好天に恵まれて、多数の購買者、厩舎・牧場関係者で賑わった。だが、マスコミ関係者の姿は、JRAブリーズアップセールに比べるとかなり少ない。ここ数年同じ顔ぶれしか見ていないような気がする。このセールに対する需要は、プレーヤー側と報じる側とでギャップがあるようだ。競馬ファンとしてはどうなんだろう?

 JRAブリーズアップセールと同様、首都圏で開催されるセール。買い手が来場しやすい場所までわざわざ馬を運んで行われるのだから、売り手にとって自信の商品が集められているのは当たり前。お買い得品や掘り出し物を求めるのであれば、週明けに行われるHBAトレーニングセールに行くべきだろう。ユニクロではなくジョルジオアルマーニのアウトレット、みたいな感じ。

 高額落札馬ベスト3は以下の3頭。私は今回写真を6頭しか撮影しなかったが、3頭は全部抑えてある。「これが高くなるだろう」ということは簡単なチェックで誰にでも当たりがつくのだ。そういう意味では非常にわかりやすいセール。

Img_1472

 スモークンフローリックの11(牝)。社台ファーム生産、父はマンハッタンカフェ。母はアメリカで重賞6勝の活躍馬で、母系はブラックタイプで真っ黒。半姉のワイルドフラッパーはJRA現役で9戦3勝と、母の繁殖馬としての資質の確かさも実証済みだ。本馬は馬体も見映えがするし、調教供覧で余力充分にマークした10秒7はこの日の最速ラップ。誰もが認めるこの日の超目玉商品だ。この馬が一番価格になったのは売り手の想定通りだろうが、5100万円(税抜き)という落札額は想定を大きく上回っていたそうだ。「タカラ」の村山義男氏が落札、美浦の国枝厩舎に入厩する予定。

 馬体重は470キロ。脚長で豪快なフットワークは父の良駒に共通するもの。スパイラルカーブの船橋でも外に膨れ加減だったように、広いコース向きの本格派と考えて間違いなさそう。リスクは、骨が丈夫なタイプではないことと、気性的に敏感・繊細な面を見せていること。もちろん、双方とも「素軽さ」「反応の良さ」というメリットの裏返しでもある。

Img_1484

 ランペルティーザの11(牡)。社台ファーム生産、父はダイワメジャー。半兄にランパスインベガス。近親に上級条件での活躍馬が多数いるアベレージの高い牝系の出身で、クズが少ないダイワメジャーとの配合だから、長打力はともかく打率は高そうな馬だ。調教供覧でのラスト1F10秒8は2番時計だが、併走相手が直線でモタレてしまって併せ馬にならなかったことを考えれば、この馬が最速を出していた可能性もある。昨年来の各セールで活発な購買が目立つ三田昌弘氏が4600万円(税抜き)で落札した。馬体重は489キロ。

Img_1482

 ブローザキャンドルの11(牡)。社台ファーム生産、父はクロフネ、母の父がサンデーサイレンス。母の兄にマイルG1で活躍したテレグノシスなど、近親には重賞級の活躍馬が何頭もいる。調教供覧では2Fから12秒2-11秒4というバランスのいいラップをマーク、反応が良く安定感のある走りが目を引いた。馬体重は478キロ。上記2頭は2月生まれだが本馬は5月生まれで、馬体にはまだ伸びる余地が感じられる。この馬も三田昌弘氏が3400万円(税抜き)で落札した。三田氏はこの2歳世代から新規に参入する馬主さん。

 ちなみにこの写真はセリ場に向かう列に並んでいるところで、撮影のためにiPhoneを向けたら牧場の人に耳立てまでしてもらった。素直な気性もセールスポイント。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年5月19日 (日)

ドミノは止まるか倒れるか

 いろいろと誤算の多かった2歳クラシックで、とくに牝馬はレース毎に勝ち馬が変わった。前哨戦で鮮やかな勝ち方をした馬が次走で人気すると期待に応えられない、というパターンの繰り返し。阪神JFがコレクターアイテムで、チューリップ賞はレッドオーヴァル、桜花賞ではクロフネサプライズ。1番人気馬のドミノ倒しはデニムアンドルビーで止まるのか、どうか。そういうオークス。

■東京11R 第74回優駿牝馬

 混戦なのにオッズとしてはそれなりに序列がつく。馬券戦術としては、単勝を数点、あるいは複勝を数点買うレースだと考える。候補を挙げるなら以下の3頭。

3.メイショウマンボ

 金曜日に白夜書房で行われたイベントで推した馬。桜花賞のパドックで馬の良さを見て度肝を抜かれた。レースでは一発狙って裏目を喰らって10着に敗れたが、そもそもがメリハリの大きなレースをするギャンブルホース。

9.ローブティサージュ

 ほんらいは中距離馬なのに、能力の高さでマイル以下の距離で結果を出してしまった、というのが昨秋の戦歴。年明けは9着、5着と来ているが、スランプというよりも、最大目標に向けて順調な足取りとも考えられる。

15.セレブリティモデル

 オークスの穴馬の宝庫、忘れな草賞の勝ち馬なのに忘れられようとしていないか? 忘れな草賞はレース上がり3Fが37秒6という究極のスタミナ勝負だった。才能のベクトルの大きさは示しているから、レース展開がフィットすれば。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月14日 (日)

4月なのになぜ皐月賞なのか?

皐月賞はその名の通り、以前は5月のレースだったが、いまではそうでなく4月のレースだ。これは前のエントリで分析した通り、桜花賞の施行を桜の季節に合わせたことの副作用だと推測される。

理由はともかくとして、日本のクラシックの開幕は北半球では飛び抜けて早くなっている。各国のクラシック開幕は5月初旬に固定されているが、意味もなくそうなっているわけではない。藤沢和雄調教師がダービーへのステップとして皐月賞ではなく青葉賞を重用するのも意味がある。

今回の皐月賞に関して、予想は競馬王×netkeiba.comコラボによる馬券サバイバーで公開しているので、詳しくはそちらを見てほしいが、予想のツボは「この時期、普通に待っているだけでは仕上がらない」ということ。皐月賞には促成栽培的なレシピがあって、具体的にはノーザンファームでありサンデーサイレンス、ということ。去年のゴールドシップもノーザンファームしがらきを利用していた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 7日 (日)

すべては桜のおかげ

 東京の桜はすっかり葉桜だが、阪神競馬場は今週がちょうど満開となりそうだ。3歳牝馬の最初のクラシック競走に桜花賞という美しい名前が与えられたのは、1947年のこと。最初の「桜花賞」は日本国憲法施行の翌日、5月4日に行われた。日本のクラシック競走はイギリス競馬に範をとっており、当初の施行時期もイギリスのクラシック第一弾・ギニー競走に合わせたものだった。

 しかし5月に桜花賞というのはいかにもおかしい(北海道ならばともかく)。桜花賞という名前に引きずられる形で施行日は徐々に早まっていって、60年代には4月初旬に定着した。その結果、日本のクラシック第一弾は欧米より一足早いタイミングで開幕することになった。桜花賞という名付けがなかったら、おそらく日本のクラシックは現在よりワンテンポ遅く行われていたはずだ。

 冬と春の境目という難しい時期に早められたことが、桜花賞・皐月賞の難解さに一役買っていることは間違いない。つまり、あなたや私がこんなに悩んでいるのは、すべては桜のせいなのだ。馬券が外れた人は「お前のせいだぞ!」と仁川の桜に毒づく権利がある。

■阪神11R 第73回桜花賞

 チューリップ賞圧勝のクロフネサプライズの相手を探すレース。鞍上の武豊騎手はペース判断が達者だし、先行してバテない脚があるから総合点は高いが、切れる脚に欠けるのではないか、というのが予想されている難点だ。

 逆転候補に擬せられているのはレッドオーヴァルとトーセンソレイユ、サンデーサイレンス系の良血馬二頭だが、両馬とも線の細さがあってパワーが要求される阪神での好走には疑問が残る。人気しているから取捨はオッズとの兼ね合いでの判断になる。

 坂の阪神ということで採り上げるべきはメイショウマンボだ。京都の紅梅Sではレッドオーヴァルに並ぶ間もなく交わされたが、前走フィリーズレビューの完勝が示すとおり、阪神ならば違う目を期待できる。もう一頭、サンブルエミューズも中山マイルで大外一気に突き抜けた芙蓉Sが圧巻の内容で、阪神向きのパワーを秘めている。その後伸び悩んでいるのは精神的な脆さのせいで、能力的には依然として上位と見る。試行錯誤の末に選ぶ岩田騎手の戦術に期待したい。ジーニマジックはスタートセンスが抜群で相手なりに走るから、スローペースなら前残りが考えられる。

◎ 13.クロフネサプライズ
○ 18.メイショウマンボ
▲ 4.サンブルエミューズ
注 16.ジーニマジック
△ 14.レッドオーヴァル
△ 12.トーセンソレイユ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月17日 (日)

史上最大の混戦

今年の牡馬クラシックはわからない。誰に聞いてもわからないという。同業の方と顔を合わせるたびに今年はわからないという話になる。時候の挨拶みたいだ。

昨日お会いした橋浜さんは「史上最大」と言っていたし、細江さんも座談会で「予想は絶対無理!」と言っていた。それを聞いてちょっと安心したりもするのが、難しいテストが終わったあとのクラスの会話のようでもある。弱気そうなことを言いながら、けっこうできているんじゃないの?

今年の3歳重賞では、1番人気がドミノ倒しのようにコロコロ負ける。レース毎に勝ち馬が変わり、戦線が進むほど混迷が深まる。今年の特徴は、折り合いに不安がある馬が多いことだ。あるレースで上手く折り合った馬が勝って注目を集めるが、次のレースでは折り合いにしくじって負け、勝つのはたまたま折り合った馬、という構図。エピファネイア、コディーノ、メイケイペガスター、コパノリチャード、マンボネフュー、アドマイヤオウジャ、ミヤジタイガ、ヘルゲンテノール。折り合い難の馬だけで一レース組めそうだ。

■中山11R 第62回フジテレビ賞スプリングS

そういう年なので、必然的に皐月賞の最終トライアルも混戦になる。ただ、混戦といっても昨日の若葉Sよりは見通しはつきやすい。

実績的に頭一つ抜けているロゴタイプ。ただ、前走がベスト条件だったし完成度も高かったので、距離延長と成長力を武器に差を詰める馬がいるだろう。候補はタマモベストプレイ、ヘルゲンテノール、ヘルゲンテノール、アドマイヤオウジャ、マンボネフューくらいまで。ここら辺で収まると思う。収まってほしい。

馬券テクニック的には、前走で上手く折り合ったタマモベストプレイ、ヘルゲンテノールを買うのは得策ではない。マンボネフューかアドマイヤオウジャの二択から、今回が距離短縮になるアドマイヤオウジャを買う。

◎ 13.アドマイヤオウジャ

■阪神11R 第61回阪神大賞典

天皇賞へのステップレースは一枚看板。ここからゴールドシップが始動する。この馬には折り合いの心配がない。言い換えればスピードが足りない。現代日本競馬の主流に反するスタイルを押し出しながら、3歳にしてJRAの頂点に立った。この馬の活躍はある意味革命だと思う。

◎ 7.ゴールドシップ
○ 1.トウカイトリック
△ 6.デスペラード

マイルールで単勝5倍未満に◎を打たないことにしているが、ここは例外とする。2着を当てるレースと考えれば、馬連一点。長距離路線の実績馬を重く見るのがこのレースのセオリー。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月16日 (土)

プランB

 花の盛りはまだ先だが、JRAの3歳戦はいまが見頃だ。今週はスプリングS、フラワーC、ファルコンS、若葉Sと、四つの重賞・オープン特別が行われる。来週の毎日杯を残し、皐月賞、桜花賞への予選はほぼ終了。レースを使う側も予想する側も、本番に向けてすべての準備を済ませなければならない。季節が変わり、身体的にも精神的にも馬が大きく伸びる時期だけに、パドック派としては前哨戦こそ見逃したくない。

 土曜のメインは各場で3歳戦が組まれた。正直、体が三つほしい思いだが、阪神の若葉Sがなぜだか好メンバーに思えてならないので、フラワーCは捨てて東海道を西下することにした。ただ、名古屋で途中下車して「ファルコンSを見に来ました」と言い張るプランBもいまのところ捨てていない。電車の中で考えようと思う。

■阪神11R 若葉S

 皐月賞トライアル。阪神の芝2000は3~4コーナーが大回りなので、中山ほど器用さは問われない=紛れが少ない。牡馬のクラシック戦線の中で最初にスタミナ型が狼煙を上げるレースだと思う。

◎ 5.サトノノブレス

 メジロ牧場生産のディープインパクト産駒。2歳秋の足踏みは、器用さが足りず馬群で詰まったのが原因だ。3ヶ月休ませた前走は勝って当然の相手関係だったが、馬体重が8キロ増えていたことが好印象だった。クラシックを戦っていく上では、どこかで一息入れて成長を促すことがとても重要だ。昨年のダービー馬ディープブリランテも、共同通信杯のプラス12キロが不可欠なステップだったと思う。

 若葉Sは、弥生賞やスプリングSという重賞を使えない馬の救済レース、いわばプランBみたいに扱われているが、ところがどっこい。池江泰寿厩舎からは若葉Sをステップにフサイチジャンク、カフナ、ワールドエースが皐月賞に進んでいる。堂々のプランAなのだ。

■中京11R 第27回中日スポーツ賞ファルコンS

 NHKマイルCへのステップレースのひとつ。NHKマイルCが決勝、ニュージーランドトロフィーを準決勝とすれば、ファルコンSは準々決勝第2試合といった位置づけにある。

 ここはクロッカスSを人気で敗れたティーハーフ、フレイズエターナルの再戦といった下馬評で、たしかに両馬はこの路線の上位馬ではある。しかし、JRAの2・3歳戦においては短距離路線自体がプランBみたいなものだから、プランBの上位馬といってもそれほど威張れない。

◎ 12.レッドジャイヴ

 レッドジャイヴは前々走が芝1800への出走だから、皐月賞出走に未練タラタラだった。アグネスタキオン産駒だからそれも当然だろう。折り合いの難しさがある馬なので、短距離への転身はプラスの目が出る公算が大きい。ずっと人気先行で来た馬のプランBへの転進、ここでダメだったら諦める。

■中山11R 第27回フラワーカップ

 3歳牝馬の重賞・オープンは先週・先々週で3鞍も組まれていて、さらにまたである。はっきり言ってもう馬が残っていない。プランBというよりプランCといった位置づけ。「500万に毛が生えたメンバー」とかよく言われるが、今回の出走馬で収得賞金400万円越えは1頭だけ。500万に1本だけ毛が生えたメンバーと言うべきだろう。オバQかよ? いや、彼は毛が三本か。波平かよ? またはO次郎かよ?

◎ 9.ブリリアントアスク
▲ 8.トーセンレディ

 この路線のいまいちちゃんカラフルブラッサム、新馬勝ちが鮮やかだった素質馬サクラプレジールが人気しているが、まあなんでもありだと思う。

 馬券テクニック的にはブリリアントアスク。マイルを中心に使われていた馬だが、ネオユニヴァース産駒だからスタミナ条件に変わるのは歓迎だ。前走の黄梅賞はおそらくこのレースより強いメンバーが揃っていたと思うが、そこで差してタイム差なしの4着だから、ここで力不足と言うことは考えにくい。

 愛情的にはトーセンレディ。トーセンレディは公開ドラフトで推薦した馬だが、新馬を快勝したあとスランプに落ち込んだ。まだ成長途上なのだと思う。ただし、昨秋のアルテミスSでは6着だったが、アルテミスSからは1着のコレクターアイテムはもちろん、2着のアユサン、3着のウインプリメーラ、5着のナンシーシャインまでがトライアルで権利をとって桜花賞へ出走してくる。トーセンレディにしてもここでまったく力が足りないということはないだろう。休養明けで期待値込みだが、がんばれ馬券を勝って応援しようと思う。頑張れ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月 3日 (日)

行列のできる人気馬

 先週日曜日の夕方、スカイツリーの麓にある居酒屋での反省会。

 チューリップ賞の登録馬を見ながら「これ、レッドオーヴァルが1番人気になるんじゃないか?」「ええ? だって阪神JFの勝ち馬がいるのに、それはないよ」みたいな話が焼酎の肴になった。土曜になって蓋を開けば、2.3倍。単勝3.5倍のローブティサージュを引き離して、重賞初挑戦のレッドオーヴァルが断然の1番人気になった。

 7着という結果はレースの綾なのでここでは語らない。私が興味あるのは、クラシック路線での人気の偏りについて。連勝馬や無敗馬が期待感から人気が過剰になる傾向は昔からあったが、最近はそれがとくに顕著だと思う。

 POG人気が広がって、血統馬や素質馬はデビュー前からスター扱いされて、その一挙手一投足について情報が出回るようになった。その情報はインターネットを通じて何倍にも増幅される(いわゆるコピペ文化)。「情弱」になりたくないという怖れから、少しの差異に大勢が飛びつく。結果として、目を疑うような過剰人気馬が頻出するようになる。そういう流れだ。レッドオーヴァルもそうだが、朝日杯のコディーノの1.3倍にもびっくりした。この店、たしかに美味しいけど、そんなに行列を作るほどの店か? と首を傾げた経験は皆さんお持ちでしょう。あれと同じ違和感だ。

 予想家としては、それがどんなに過剰人気であろうともオッズによって印が変わるようなことはあってはならない。だけど、馬券買いとしてなら立ち回りは簡単だ。クラシック路線では人気の逆に張り続ければいい。その立場の表明が昨日のエントリでの◎アユサンだったわけ。

■中山11R 第50回報知杯弥生賞

 記念すべき50回目の弥生賞。もう一方の皐月賞トライアルであるスプリングSは今年で62回を数え、かつてはスプリングSの方が重く見られていた時代もあったが、いまでは主街道はこちらだ。番付上位馬が顔を揃えて、春競馬開幕にふさわしい賑わいを見せる。

 コディーノは朝日杯FSこそ惜敗したが、札幌2歳S、東京スポーツ杯2歳Sと2歳の重要レースを二つも勝っている。どちらかひとつだけでも弥生賞で人気するのに充分なのに。もうひとつ重要な2歳重賞を挙げれば、それはラジオNIKKEI杯2歳Sで、その勝ち馬がエピファネイアだ。年が明けてからここまでの牡馬クラシック路線は、人気馬がコロコロ負けて盛り上がりに欠ける印象があるが、それはこの二頭がずば抜けていることの裏返しかもしれない。

◎ 7.ヘミングウェイ

 二頭に逆らう気は毛頭ないが、馬券はこちら。6戦1勝、シンザン記念2着のヘミングウェイから入りたい。2歳夏にデビューして使われつつ力をつけて気がつけば一線級、という履歴は藤原英昭厩舎の先輩・エイシンフラッシュと同じだ。スター街道を連戦連勝という馬ではないので人気になりにくいが、エーシントップに肉薄したシンザン記念を見ればその実力はあきらか。マイルを中心に使われていたので距離延長が問題となるが、この馬自身折り合いに問題ないし、父はネオユニヴァースだし。二強に一歩譲るのはやむを得ないとしても、第三の馬はこの馬で間違いない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月 2日 (土)

職業としての馬乗り

 調べ物のために新橋のゲートJへ行ったら、折良く金曜の夜。競馬学校の教官である元騎手の蓑田早人氏を招いてのトークショーが始まったので聴いてきた。

 なぜ蓑田教官なのかというと、今週末からJRAは年度替わりで、競馬学校を卒業したばかりの新人騎手たちがデビューするタイミングだから。イベントでは今年デビューする四騎手のインタビューも放映され、それぞれの人柄がうかがい知れて興味深かった。

 受け答えがいちいちしっかりしていて、落ち着きがあって「大人だなあ」と思わせたのが、藤岡健一厩舎所属の城戸義政騎手。回答に自ら面白エピソードを挟み込んだりして「頭の回転速いなー。大阪人やなあ」と思わせたのが、田所秀孝厩舎所属の原田敬伍騎手。お二人に好印象を抱いてしまったが、よく考えたら「インタビューしやすそう」という取材者視点で判断してしまっているので、騎手としての善し悪しとはまた別の話ではある。

 騎手には馬づくりのチームのアンカーの役割があるので、普通のアスリートよりも「社会人」としての資質がより強く求められる職業だと思う。競馬学校の成績優秀者が騎手として成功するとは限らないのも、そのあたりに原因がある。アスリートであり社会人。でも騎手のなかで上に行くためにはライバルを押しのける「我の強さ」も絶対必要だったりするわけで、厳しい職業だと思う。

■阪神11R 第20回チューリップ賞

 チューリップ賞は桜花賞への最重要ステップレース。阪神JFでワンツーして主役の座に躍り出たローブティサージュとクロフネサプライズ、紅梅Sの勝ち方が強烈だったレッドオーヴァルが人気の中心になる。

 ローブティサージュとクロフネサプライズは阪神JFで人気を背負って好走したわけでないので、牝馬戦線の絶対的な中心とは見なされておらず、「新星登場」を期待されてレッドオーヴァルが実績以上の支持を集めている感じだ。レッドオーヴァルは一線級との対決が初めて。腰つきや腹構えに頼りなさが残る現状で勝ち負けできるかどうか。これからは素質だけではなく連戦を勝ち抜いていく「タフさ」が問われる局面にはいる。

 馬券的には、前走から人気急落のアユサンを買う。スローペースで追走しやすくなるのはプラス材料。スローの切れ者を買うのがチューリップ賞だと思うし、もちろん素質的にも引けをとらない。

◎ 6.アユサン

■中山11R 第8回夕刊フジ賞オーシャンS

 高松宮記念のステップレースだが、先週の阪急杯よりはだいぶ格が落ちる。その阪急杯を完勝したロードカナロアとの使い分けで、安田隆行厩舎のダッシャーゴーゴーが回って来た。口向きの難しい馬で狭い中山は必ずしも得意ではないが、実績的には断然の存在が56キロで走れるのだから人気になって当たり前だ。

 馬券的には伸び盛りの4歳ハクサンムーンの逃げ粘りを狙いたい。ダッシャーゴーゴーと同斤量というのは楽ではないが、馬場のアシストを得られれば1着も有望だと思う。

◎ 3.ハクサンムーン

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月21日 (月)

京成電鉄に愛をこめて

 本来なら冬の中山は昨日で終わりのはずだが、雪のため途中で中止になった先週月曜の残りレースを消化しなくてはならない。平日の今日もひっそり中山競馬は開催される。冬場の月曜開催というと、私なんかはナリタブライアンが圧勝した1994年の共同通信杯が思い出してしまう。あの週は東京競馬が土日とも雪で中止になったので、月曜と次の金曜に二日分を無理やり割り振って開催を消化したっけ。

 JRAの開催消化に賭ける熱意は素晴らしい。「そこまでするくらいならすっぱり中止にしろよwwww」と思ってしまうのは、競馬関連産業に従事する人間のエゴなのか。休まないJRAに引きずられるようにして、本日も中山競馬場に行ってきます。

■中山11R 第53回京成杯

 シンプルでいいレース名だ。京成杯。先週月曜の大雪で各線が運休になったなか、京成電鉄は唯一運行を続けて、中山競馬場からの帰宅難民にとって救いの箱船となった。京成の赤い車両に感謝と敬意を込めて、京成杯の予想をお送りしたい。

◎ 11.アクションスター
○ 12.マイネルマエストロ
▲ 3.マイネルストラーノ

 アクションスターの馬主の福井明さんはオウケンブルースリを持っていた人だ。一昨日引退式を行った菊花賞馬と入れ替わるようにして、新しいスター候補が頭角を現してきた。アクションスターの馬名はもちろんブルースリーへの連想もあるだろうが、この馬はじつに格好いいアクションで走る。まさに名は体を表しているのだ。そしてまた、トンボを切れる身体能力を誇る内田博幸騎手の起用もアクションスターには相応しい。

 真面目に予想をすると、雪明けの最終週なので馬場状態はタフ。ただでさえ中山2000は若馬には厳しい条件だから、スタミナ要求度は相当高くなっていると考えられる。朝日杯のレベルが低いとは思わないが、前走でスピードレースをしていた馬よりは上のクラスの2000を戦っていた馬の方が有利なステップを踏んでいることは自明の理だ。朝日杯の4着よりはラジオNIKKEI杯の4着を買う、とそれだけの話。

 ちなみにアクションスターの勝負服はオウケンブルースリでお馴染みの赤。そしてマイネルの勝負服も赤だ。京成電車が踏切を通過するときのような赤色の突進を期待して、そろそろ平日の中山競馬場へと出発します。JRで。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«中京遷都