惰性は友達、坂は敵
先々週の日曜日に行われた千葉マリンマラソンに参加してきました。生涯で初めてのハーフマラソンでしたが、見事に完走を果たしました。タイムは1時間58分54秒(ネットタイム=実走時間)。練習不足だったにもかかわらず、目標としていた「2時間以内完走」を達成することができました。はい、拍手! いやあ、どうもどうも、ありがとうありがとう。
マラソンを走ったことがない人は、ゴールすればつらさや苦しみから解放されるものと思うかもしれません。でもそうではありません。市民ランナーがマラソンを走る上で一番大事なことは、「ゴールした翌日に元気で仕事に出かけること」です。その意味では、私の初ハーフマラソンは大失敗でした。両脚のかかとから付け根まで、びっしりと筋肉痛に襲われて、数日間まともに歩けない状態になってしまいました。
ハーフマラソンの20キロ強を走るのに、想像していたほど体力は必要ありませんでした。しかし、筋肉痛の両脚を抱えて何日も日常生活を送ることによる消耗は想像を超えていました。マラソンから三日たった水曜日、筋肉痛がマシになるころには身体の抵抗力がかなり落ちていたのでしょう。無理と寒さが祟ってハードな風邪をひいてしまったのです。
全体としては悲惨な初ハーフマラソンになりましたが、無理をしない佑樹、じゃなかった無理をしない勇気の大切さを文字通り身体で学べたのは貴重な体験でした。事前にしっかり準備をしておけば、本番で無理をする必要なんてありません。
□小倉11R 第45回小倉大賞典
ここから競馬の話です。フィクションが入りますよ。ノンフィクションのつもりで書きますけど、結果的に嘘になったらごめんなさい。
千葉マリンマラソンは海沿いの埋め立て地を走るので、コースはほとんど平坦なのですが、ゴール前3キロほどの地点で陸橋を上り下りしなければなりません。それほどの急勾配ではないはずですが、すでに筋肉痛で動かない脚を抱えていた私にとっては中山競馬場の急坂以上に思えました。
一歩一歩、重力と傾斜が推進力を奪い取ろうとします。私にとって頼れる味方は「惰性」だけでした。いま動いているから、次の一歩を踏み出せる。はずだ。生まれてからあれほど慣性の法則のありがたさを思い知った日はありません。いや、ここらへん、すでにちょっとフィクション入っているな。
◎ 3.リルダヴァル
小倉競馬場のスタンド前直線には坂がありません。なんて素晴らしい競馬場なのでしょう! 昔々、関西にはゴール前に坂がある競馬場がなかったので「関西馬が関東に行って通用しない理由はそこにある」と言われていたものです。それがいまでは、阪神に続いて中京にもゴール前に上りが設置されるのですから、時代は変わりました。
リルダヴァルの新馬戦は小倉芝1800メートル。小倉大賞典と同じコースでした。前に行った人気薄の馬が楽なペースで逃げ粘る展開を、4コーナーで大外を回っての差し切り勝ち。最後まで手前を替えないままの余裕の走りで、度肝を抜かれるようなデビュー戦でした。
この馬は骨格の大きさのわりに骨量があまりなくて、後肢の筋肉量もまだ充分ではありません。速いペースを追いかけて長く良い脚を使って、素晴らしい時計でG1を3着(NHKマイルC)したかと思えば、オープン特別でもゴール前で詰めの甘さを見せて負けたりと裏表の激しい馬ですが、私には彼の気持ちが痛いほどよくわかります。坂が苦手なだけなんだよね、リル。
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