●フェブラリーS
アジュディミツオー
肩はそれほど上がらない。やや掻き込みが入る。動きに硬さは見られないが、手前を替えないのはマイナス。器用に加速できるタイプじゃないので坂越えの府中は割引き。
カフェオリンポス
タテに大きな走りは健在。首をよく使う。前捌きも柔らかいし、上体もよく沈む。ただ、腰はあまり強くないし、加速の才能があまり感じられない。
ダイワバンディット
タテに大きな走り。もうちょっと腰が入った方が良いんだけどなあ。加速の才能は並以下なので、隊列の助けが絶対に必要。東京マイル向きではない。
ビッググラス
頭が高い。前捌きは小さいがエルコン→キングマンボの取り柄でもある。すなわち、脚がよく回る。すなわち、渋太い。東京で必須の「再加速の才能」を持っている。ただ、全身運動ではない。これもエルコン→キングマンボにありがち。
シーキングザダイヤ
武豊騎手。ピッチ走法。肩があまり上がらない。前捌きは柔らかい。ああ、そうか。このレースは、休み明けでフレッシュ=身体をのびのびと動かせる馬が来るんだった。それを考えると、間隔を開けた今年のローテは悪くないのかも。と、そういうことを思わせる柔軟な動きで、好印象を受けた。
サンライズバッカス
安藤騎手。前捌きが硬い、小さい。そういうところを見せられると、一流とは思えないのです。パワーですね。首をグッと使って。効率的な走りとは思えないのです。スピード面もそうですが、スタミナ面でも無理が生じるような気がするのです。
オレハマッテルゼ
前捌きは小さいが硬くはない。いい時計が出ているが、楽に走れているわけではない。後肢の動きはさすがに一流を思わせる。詰めの甘さがダートで解消される可能性を否定はしないが、問題はこのレース、このペースで「楽だ」と感じられるかどうか。追走に労力をとられてしまっては、の甘さ云々の話ではなくなってしまう。
リミットレスビッド
前捌きは小さいが窮屈さは感じられない。なかなかシャープな動きをする。もっと身体が沈まないとマイルは難しいと思うが。
フィールドルージュ
前捌き大きい。ゆったりとしたフォーム。首が下がって重心が低くなる。なかなか豪快なフォーム。スピードというよりはスタミナ。遅さ甘さはなきにしもあらず。
メイショウバトラー
ピッチ走法。前も後ろも、脚捌きは綺麗。身体がよく動いている。パワーとスピード。
ブルーコンコルド
幸騎手。前、掻き込まない。余分な力が入っていない。大型馬だが、筋力に頼っていない。体幹部を使った全身運動ができている。ゆったりとした大きな動き。つまって不発の図も想像したが、これだけ機敏な動きを見せられると、その懸念も杞憂に思える。負けないかも。
タガノサイクロン
前捌きが硬い。首が下がらない。全身運動に移行しない。一流とは差を感じる。
トーセンシャナオー
良い動きじゃないか。前捌きは綺麗で柔軟、掻き込まない。筋力に頼らずに好タイムで登坂できている。こんなに良い馬だったのか? スムーズに体幹部利用ができている。追われてからヘッドアップするように多少の甘さは残っている。
シーキングザベスト
ピッチ走法。前捌きは硬いし、多少の乱れも見られる。肩の出が窮屈。センスがある馬だが、走りが小さくまとまっているので意外性がない。
メイショウトウコン
びっくりするほど柔らかいわけでもない。むしろ前の出は小さい。手前を替えない。ほっそりとしている。首使い○。切れ味に特化している。
●クイーンC
カタマチボタン
びっくりするほど肩の出が小さい。びっくりした。ダンス牝馬にはありがちなんだけど。たしか、このあと出てくるローズオットーにもそういうイメージがある。それにしてもこの捌きの小ささにはびっくりした。蹴り脚も揃わない。前も後ろも一流の動きとは言えない。切れ味の精度はそれほど高くないはず。スパッとは切れずジリジリと脚を使うイメージ。
ローズオットー
カタマチボタンのあとだと前の出が大きく見えるが、そんなことはない。しかしこちらの方が肩をよく使っているのは事実。カタマチに比べるとローズオットーの方が柔らかくて、より全身を使えている。将来性を考えるとこちらを評価したくなるところだが、カタマチの方が難しいことをしようとしないだけ安定感があるとも言える。単純なキックアンドラッシュのカタマチに対して、ローズはプレスサッカーを志している…、というようなイメージ。しかし、トップリーグならばともかく、学生レベルだったらキックアンドラッシュの方が絶対に効率が良いんだよね。俺、ひそかにいいこと言っているよ。頂点を争う戦いならば高度な戦術(=全身運動)が要求されるが、そうでなければシンプルで泥臭い戦術(=筋力に頼った走り)の方が結果を出しやすい、ということ。
ラストベガ
肩の出小さい。舌越し。手前替えない。捌きは柔らかいし、前脚は真っ直ぐ伸びる。芝替わりはおそらくプラス。前躯後躯が収縮するので、一気の爆発力もある。数字の裏付けはないが、キストゥヘヴンに似た雰囲気がないこともない。ただ、総合力で劣るのは否定できないので、極端な展開で一瞬の脚が生きれば、という条件はつく。
ジョウノガーベラ
胸前はムッチリしているように見えるが、捌きはなかなか柔らかいし、手前もスパッと替わる。頭の低いフォーム。腰の甘さを感じる。首が沈みすぎというか。頭が落ちるタイミング、ちがーう! というか。不思議な魅力はあるんだけどね。中京とか福島とかのスタミナ戦で買ってみたい。
ジョウノパンジー
三頭あわせの真ん中で肝心の箇所がよく見えない。しかしその方が逆に興奮するのが悲しい性だ。鍛えあげられた想像力で判断するに、ちょっと力みすぎなんじゃないの? 線が細いんじゃないの? 後肢の筋力、足りてないんじゃないの? すべては空想なので、責任は持たない。
シャルロットノアル
いいタイミングで手前が替わる。肩も柔らかく使えている。前躯後躯がよく伸び縮みして、全身運動にはなっている。だけど、いかにも腰が甘いよなあ。才能は感じるんだけど、鍛錬が足りないような。
ハロースピード
松岡騎手。肩がよく上がって前脚が真っ直ぐ伸びる。ちょうど良いところで勝手に手前を替える。馬体を見た感じでは腰が甘いという印象はないんだけど、走りが大きすぎて加速に乗りにくいのはたしかだろう。才能のベクトルが持続に寄りすぎなのかも。内枠だと捌き遅れ、差し遅れの可能性は否定できないし、直線に坂があるのもプラスではないだろう。ただ、馬の到達点は相当高いので、終始楽な手応えで競馬を進められるのでは? 持ったまま好位で坂まで到着できれば、多少の捌き遅れや外に出すロスがあっても、なんとかなるかもしれない、この相手なら。
アポロティアラ
たまにつんのめるのは、肩の出が硬いからではないか? 手前も替えないし、とにかく硬い。ここまで身体の使い方が硬いと、速い時計は出せないだろうが、ただ一瞬の爆発力は優れているはず。雨か。
イクスキューズ
これは、馬の後ろで我慢をする稽古? 腰は甘い。基本的には前脚で身体を引っ張り上げて体力の続くかぎり頑張る、というデザイン。追って抜群に伸びるわけではないので、変に抑えない方が良いと思うんだ。前捌きは柔らかいし、肩もよく上がっている。基本的にはレベルが高い馬で、スピードは充分だし抑えも利く。ただ、この後肢では良い脚一瞬はやむを得ない。横一線からのヨーイドンは勘弁してほしいところで、隊列の助けがほしい馬だが、マークされる立場だとそれも難しい。さて。
ホットファッション
靄が掛かって見えないけど、手前は良いところで替わっているようだ。肩もまずまず上がっているし、捌きにゆとりがある。状態は良くなっているはず。ある程度器用に動けると思うし、それほど見劣りはしない。チャンスはある。靄が掛かって見えないけど。
クラウンプリンセス
前捌きが小さい。硬い。身体の使い方自体、どちらかといえば硬い。追われてからはさすがの動きを見せる。この硬さでは一瞬脚になるのもやむを得ない。ペース次第。スローなら。
リラコルレオーネ
前に頼っている。その前捌きもたいしたことない。腰が甘い。重賞云々というレベルじゃない。
シュガーヴァイン
ムキムキした感じ。筋力系。首をあまり使わない。3歳戦ではこれはこれで評価すべき。
●ヒヤシンスS
トロピカルライト
手前を替えるタイミングが遅い。肩はよく上がるし体幹部利用も満点。間違いなく一流の動きだ。多少硬さが目につくようになってきたが、筋肉の熟成が進んだから? という前向きな見方もできる。距離実績もあるし、斤量が応えないような隊列を作ることができれば、なんとかなるかも。3番人気くらいまで落ちれば、チャンスはあるだろう。
アイヴォリーカラー
掻き込む動き、回転が速い。だけど肩自体はよく上がっている。首使いも上々で全身運動になっていて、一流になりうる素材だと思う。ただし、後ろは充分に踏ん張れているわけではなくて、多少甘さがあるかもしれない。となると「直線での再加速」という局面で有効な動きをできない懸念が生じる。
アルヴィス
肩の可動域が狭い。前を掻き込まない。ピッチ走法。
●京都記念
トウショウナイト
捌きは柔らかいし全身運動だし後肢もきっちり使えているし、いやいや、素晴らしい。こんなに良い馬だったのか。やや脚捌きに雑なところがあるので、そこがトップスピードの不足につながっている。荒れ馬場の最終週とはいえ、雨と隊列の助けがほしいところ。
スウィフトカレント
頭高い。後ろ重心の走り。腰の甘さは相変わらずだが、それでも走る馬ではあるが、良いときに比べると見劣る。
シルクネクサス
肩がよく上がる。前脚は掻き込まないで真っ直ぐ伸ばす。走りが後ろ重心なのは、腰が甘いから。
ローゼンクロイツ
四肢の運びが雑。筋力が足りないのかなあ。フワフワしているし、走りが安定しない。進境は見られない。
アマノブレイブリー
左前をブルンブルン外から回す。なにをやっているのだ。圏外。
トリリオンカット
首使いがもうひとつ。前捌きが窮屈。硬さが目につく。
ロジック
前捌きが窮屈。綺麗な走りではない。硬い。雑。時計が掛からないとダメポ。
トウカイワイルド
前捌き硬い。重心が沈まない。まだ腰に甘さが残っている。一流とは差を感じる。
アドマイヤムーン
追走遅れ。手前を替えない。前捌き小さい。スムーズさを欠いている。全体に硬い感じでフォームが安定しない。
ポップロック
福永騎手かよ。無駄な力が入っていないのが良い。体幹部利用もできている。レベルが高い。
ファストタテヤマ
衰えたかといえばそんなことはないが、腰の非力さは温存されたままだ。
オースミグラスワン
相変わらず掻き込むフォームだが、後ろの使い方は悪くない。体調は悪くないはず。ただ、促されても手前を替えないのはマイナス。舌もハミを越している。
エアセレソン
腰があまり強くない。フワフワしている。線が細いという印象。