落合博満とオルフェーヴル
更新をさぼっているうちに季節が変わってしまった。プロ野球はセリーグの優勝が昨日決まって、落合博満監督率いる中日ドラゴンズが球団史上初となる二連覇を成し遂げた。強者不在の混戦リーグをチーム運営の妙によって勝ち抜けたという感じで、正直言ってそれほど強いようには見えないのだけど、だからこそ逆に監督の手腕が賞賛される優勝になった。
優勝したのにもかかわらず、落合監督は今季かぎり。落合のユニフォーム姿を見るのもあと1ヶ月くらいか。ロッテ時代から見続けている私などは、もっと感慨にふけってもいいような気がするが、現在の落合博満氏には現役時代の面影はほとんど見られないし、まあいいかという思いだ。永遠に続けられる職業でもないし、いい潮時だと思う。ちゃんとバイバイする機会があるってことは、すごく幸運なことだと思う。
落合と言えば三冠王だが、今週は中央競馬でも三冠馬が誕生するかしないか、というレースがある。皐月賞、ダービーを制したオルフェーヴルが三つ目のクラシック・菊花賞に挑む。かなり強引な引っ張りですか? ですよね。
ただしかし、落合とオルフェーヴルには「ドロップアウト仲間」という共通点がある。落合は高校時代、部活動の体質に馴染めず、その後野球から遠ざかっていた時期もある。そのまま野球人落合博満が消えていたら、三度の三冠王も中日の連覇もなかったわけでしょう? 運命はほんの少しのきっかけで変わってしまう。
オルフェーヴルは、京王杯2歳Sが10着という大惨敗。その後シンザン記念2着、きさらぎ賞3着と、格の高くないレースで負け続ける苦難が続いた。トーナメント的な見方をしていると、何回も見切られておかしくないような競走成績だ。ごめんなさい、私も見切っていました。そんな馬がいまや三冠一歩手前のところまで来ている。
ただまあ、野球とは違って、競走馬の場合はきっかけを掴んでからトントン拍子、みたいなことはいままでもちょくちょくあった。有名なところでは500万条件から天皇賞まで一気に駆け抜けたタマモクロスがいるし、三冠馬の先輩ナリタブライアンも同じだ。
オルフェーヴルは、新馬からきさらぎ賞までが5戦して1勝止まりだった。その次のスプリングSから連勝が始まって、5戦目が菊花賞になる。そういえば、この馬、淀(京都競馬場)で二回負けているんだよな、みたいなことも思い出すが、馬が当時とは違うので気にするところでもないだろう。いや、気にした方がいいのかな?
ディープインパクトから6年目にして三冠への挑戦者が出現したわけだが、挫折の経験があるオルフェーヴルの方が競走馬としての陰影が見られて、私は好きだ。そこらへんは落合博満氏の場合も同じことだが。
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